1.毛髪構造を構成する組織の観察研究
デミ毛髪科学研究所では、健康な毛髪やヘアカラー・パーマネントウェーブ処理を施した毛髪の微細な構造観察を行い、構造を構成する組織の役割や、化学的・物理的な処理による構造の変化について調査検討を進めています。毛髪の微細構造観察結果は、毛髪へのダメージを低減する薬剤の開発、機能性を付与したヘアケア剤の開発に役立てています。
デミ コスメティクスが取り組む毛髪の微細構造観察における基礎研究の状況について報告いたします。
デミ毛髪科学研究所では、健康な毛髪やヘアカラー・パーマネントウェーブ処理を施した毛髪の微細な構造観察を行い、構造を構成する組織の役割や、化学的・物理的な処理による構造の変化について調査検討を進めています。毛髪の微細構造観察結果は、毛髪へのダメージを低減する薬剤の開発、機能性を付与したヘアケア剤の開発に役立てています。
毛髪微細構造の観察には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いています。TEMは、毛髪のキューティクルの層構造、コルテックス細胞組織や、細胞膜複合体などを数万倍に拡大して観察することができる顕微鏡です。
毛髪を約100nmの厚みに切削し、薄切片を作製した後、重金属染色という工程を経て、観察を行います。毛髪を構成する組織の成分や密度の違いによって金属染色される部位が異なるため、鮮明な画像が取得でき、より詳細に観察ができるように工夫しています。
また、近隣の外部研究機関とも連携して、基礎研究を推進しています。
キューティクル層とコルテックス領域の拡大写真です。この毛髪では、6~7枚重なったキューティクルの層構造が確認できます。キューティクル層間、コルテックス領域では、それぞれ細胞膜複合体(CMC)が確認できます。また、コルテックス領域では、顆粒状のメラニンを確認することができます。
ダメージを受けた毛髪では、キューティクル層やコルテックスの構成成分流出やメラニン破壊によって起こる空隙や組織の変化をTEM画像から確認することができます。
コルテックス領域の拡大写真です。顆粒状のメラニンを確認することができます。また、コルテックスを構成するマクロフィブリルを確認することができます。
これらのTEM画像解析の基礎研究により、毛髪ダメージを把握し、より良い商品開発に活かしています。