頭皮から汗が止まらない!原因や対応方法、予防法を解説

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頭皮から汗がたくさん出ると、雑菌が繁殖しかゆみやニオイが発生したり、髪型が崩れてしまったりなど不快な症状が引き起こされます。

今回は、頭皮に汗をかく原因や対応法、汗と上手に付き合うコツについて紹介します。

頭皮に汗をかく理由

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人間は気温の変化や風邪による発熱、運動をして体温が上がったときなどに汗をかき、体温を下げる機能が備わっています。

特に頭皮は、手のひらや足の裏に次いで汗腺が多く、1日に約700~900mLもの汗をかきます。また、脳や神経系を守る役割もあり、常に一定の温度を維持する必要があるため、汗をかきやすい部位ですが、それほど体温が上がっていないときでも大量の汗が出る場合は、身体に異常が生じている可能性があります。ここでは、頭皮に汗をかく3つの理由を解説します。

原因1|頭部多汗症

頭部多汗症とは、通常では汗をかきにくい環境で頭皮から多量の汗をかく状態のことです。気温が低い場所や運動をしていないときでも、頭皮の汗が止まらなくなります。主な原因は「続発性多汗症」と「原発性多汗症」のふたつです。

続発性多汗症は、病気や薬などの影響を受けやすく、原因がはっきりしていることが多いのが特徴です。例えば、甲状腺の病気や薬の副作用などで汗をかきやすくなることがあります。

一方、原発性多汗症には明確な原因はありません。メカニズムは解明されていませんが、温熱性発汗(気温に応じて体温を調節するための発汗)や、精神性発汗(緊張、ストレスなどがきっかけとなり起こる発汗)が過剰に作用している状態と考えられます。

頭皮が濡れてしまうほど汗をかいたり、髪から汗が滴り落ちてきたりするなどの症状がみられたら、頭部多汗症を疑いましょう。

原因2|自律神経の乱れ

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスを保ちながら、汗の量を調整して体温をコントロールしています。

交感神経は活動の際に働く神経で、副交感神経はリラックスするときに働く神経です。

ストレスや不規則な生活などにより、自律神経が乱れると体温調節がうまくいかなくなり、汗を大量にかくことがあります。この状態は自律神経失調症とも呼ばれ、性別や年齢に関係なく、誰でも発症する可能性があるため注意が必要です。

原因3|更年期障害

更年期障害は、加齢によるホルモンバランスの急激な変化により起こります。症状は多種多様です。

更年期障害のひとつであるホットフラッシュの症状は、前触れのないのぼせやほてり、発汗、動悸などです。その影響で、頭皮に汗をかきやすくなる場合があります。

これらの症状は、脳の視床下部(ホルモン分泌のコントロールや自律機能の調節を行う総合中枢)からの命令が卵巣機能に届かなくなっていることが原因として考えられます。

更年期に差し掛かり卵巣機能が低下した状態でも、視床下部は卵巣に対し、女性ホルモンであるエストロゲンを分泌するよう命令を送ります。しかし、卵巣機能が低下していると、エストロゲンを出すことができません。その結果、脳は混乱し、自律神経が乱れさまざまな不調が出てくるのです。

更年期障害の症状がみられる場合は、婦人科で相談してみてください。

汗が招く頭皮のトラブル

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汗によって引き起こされる頭皮のトラブルについて紹介します。

トラブル1|ニオイの発生

頭皮に汗をかいたまま放置していると、雑菌やカビが繁殖しやすくなり、独特のニオイを発生させる原因となります。

トラブル2|湿疹の発症

頭皮に汗をかいて雑菌が繁殖すると、湿疹ができやすくなります。頭皮がかゆいとつい頭をかいてしまいがちですが、かくことで頭皮が傷つき、かえって頭皮の炎症を悪化させてしまいます。かゆみがひどいときは、皮膚科を受診しましょう。

トラブル3|抜け毛の増加

多量の汗は雑菌の繁殖を助長したり、炎症を起こしたりするため、頭皮環境が悪化してしまいます。

健康な髪は、「成長期→退行期→休止期」を経て3~6年ほどのヘアサイクルで新しく生まれ変わります。しかし、炎症によりヘアサイクルが乱れると、毛髪の成長が阻害されてしまったり、生えてもすぐに抜け落ちてしまったりする可能性があるのです。

とはいえ、一時的な汗や多少の汗をかくだけで薄毛になることはありません。汗をかいたあとに頭皮環境が悪化することで、髪が生えにくくなり薄毛につながってしまうのです。

頭皮に汗をかいたときの対応方法

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髪が湿ってしまうほど汗をかいたときは、どのようにケアすれば良いのでしょうか。ここでは、頭皮に汗をかいたときの対応法を解説します。

対応方法1|こまめに汗を拭く

頭皮に汗をかいたときは、そのままにせずこまめに汗を拭き取りましょう。汗を放置すると頭皮で雑菌が繁殖し、赤みやかゆみなどのトラブルを引き起こすおそれがあります。

清潔なタオルを頭皮に押し当てるようにして汗を吸い取ることで、頭皮の蒸れも予防できます。

ただし、ゴシゴシと力を入れて拭き取ると、頭皮が擦れて皮膚を傷つけてしまうため注意が必要です。汗が気になるときは、摩擦が起きないようにタオルでやさしく拭き取りましょう。

対応方法2|シャンプーをする

雑菌のエサとなる頭皮の汚れが残らないように、しっかりとシャンプーをしましょう。頭皮を清潔に保つことで、雑菌が繁殖しにくい環境を維持できます。

ただし、洗浄力の強いシャンプーを使ったり、汚れが気になるからといって1日に何度も髪を洗ったりすると、肌に必要な皮脂まで落としてしまうためおすすめできません。頭皮の乾燥を招き、かえって皮脂の過剰分泌を促してしまいます。

髪を洗うときは、まず38℃前後のぬるま湯で頭皮と髪を満遍なく濡らしてから、よく泡立てたシャンプーで頭皮にもみ込むように洗いましょう。頭皮に泡が残っていると肌トラブルの原因になるため、ぬるま湯でしっかりとすすぐことも大切です。

頭皮の乾燥が気になる方は、洗浄力がマイルドで頭皮にやさしいシャンプーを選ぶことをおすすめします。頭皮の湿疹やフケなどのトラブルがある場合は、薬用のシャンプーへ切り替えてみるのもひとつの方法です。

頭皮の汗を抑える方法

暑い日や運動後は頭皮の汗が増加しやすく、湿疹やニオイなどのリスクがさらに高まります。ここでは、頭皮の汗が気になるときに、汗と上手に付き合う方法を紹介します。

予防法1|汗を爽快にリフレッシュできるアイテムを使用する

頭皮をすっきりさせたいときやクールダウンしたいときは、頭皮用のクールローションを使用するのがおすすめです。

さっぱりとした使い心地で、ほてった頭皮や身体を効率良く冷やせます。爽やかな香りのアイテムを使えば、リフレッシュ効果も期待できます。

スプレーするときは、10~15㎝ほど離れた場所から吹きかけましょう。はじめは少量から使用して、マッサージしながらなじませるのがポイントです。

予防法2|首筋や脇を適度に冷やす

身体には体温が高くなり過ぎないように、汗をかいて体温調節するはたらきがあります。頭皮の汗が気になるときは、首筋や脇を冷やして体温を下げることが大切です。体温が下がれば発汗も抑えられます。

冷たいタオルを用意して、太い血管が通っている首筋や脇を中心に冷やしましょう。この部分を冷やすことで、効率的に体温を下げられます。

予防法3|生活習慣を整える

自律神経が乱れがちな方は、生活習慣を見直しましょう。発汗は自律神経によってコントロールされているため、偏った食事や運動不足、睡眠不足などにより悪化しやすくなります。

そのため、普段から栄養バランスの良い食生活を心がけ、ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を行いましょう。自律神経を整えるために、6時間以上の十分な睡眠時間を確保することも大切です。

まとめ

頭皮に汗をかく原因として、頭部多汗症や自律神経の乱れ、更年期障害などがあげられます。汗をかいたままにしておくと、ニオイや湿疹、抜け毛などのトラブルにつながるため注意が必要です。

汗は清潔なタオルでこまめに拭き取り、シャンプーで頭皮の汚れを落としましょう。汗を抑えるために、クールダウンできるアイテムを活用するのもおすすめです。また、栄養バランスの良い食生活や運動習慣、睡眠時間の確保も重要です。

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