シャンプーに含まれる成分とは?界面活性剤の種類や選ぶ際のポイントも解説
美しい髪を目指すためには、自分の髪質に合ったシャンプーを選ぶことがとても大切です。そのためには、シャンプーに含まれる成分について知っておく必要があります。今回は、シャンプーに含まれる界面活性剤の種類や、シャンプー選びのポイントを紹介します。
目次
シャンプーに含まれる成分とは
シャンプーには大きく分けて、水、界面活性剤、ケア成分を含むその他(防腐剤や香料など)が含まれています。
界面活性剤とは、本来ならば混ざり合わない水と油を結合させる洗浄成分のことです。髪や頭皮に付着した皮脂汚れ(油)と水を界面活性剤が結びつけることで、汚れが落ちやすくなります。
界面活性剤にはさまざまな種類があるため、自分の髪や肌質に合ったものを見つけることが大切です。
シャンプーに含まれる主な界面活性剤の種類
ここからは、シャンプーに含まれる主な界面活性剤の種類について解説します。
下記は、界面活性剤の種類ごとに、洗浄力、さっぱり感、しっとり感をそれぞれ表した表です。シャンプーを選ぶ際の参考にしてみてください。
界面活性剤の種類 | 洗浄力 | さっぱり感 | しっとり感 |
---|---|---|---|
高級アルコール系 | ◎◎ | ◎◎ | × |
オレフィン酸系 | ◎ | ◎◎ | × |
石けん系 | 〇 | 〇 | 〇~△ |
アミノ酸系 | 〇~△ | 〇~△ | 〇~△ |
タウリン系 | △ | 〇~△ | 〇 |
ベタイン系 | △ | △~× | ◎~〇 |
種類1|高級アルコール系
高級アルコール系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・ラウリル硫酸Na
・ラウレス硫酸Na など
高級アルコール系界面活性剤は洗浄力や泡立ちに優れていますが、皮膚や髪への刺激が少し強いのが特徴です。また一般的に、ヘアカラーの色持ちもあまり良くないといわれています。
スポーツをする方やよく汗をかく方は皮脂汚れがしっかり落とせるのでおすすめですが、乾燥肌や敏感肌の場合は、洗浄力の強さが刺激になってしまうこともあるため、使用する際は注意が必要です。
種類2|オレフィン酸系
オレフィン酸系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na
オレフィン酸系界面活性剤は、高級アルコール系と同様に泡立ちや洗浄力が高い界面活性剤です。
肌質によっては、洗浄後に頭皮のつっぱり感や髪のパサつきを感じることがあります。
硫酸系洗浄成分の洗浄力とほぼ同等であるというデータも報告されており、近年では代替成分として利用されることも多くあります。
種類3|石けん系
石けん系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・ラウレス-4カルボン酸Na
・ラウレス-6カルボン酸Na など
石けん系界面活性剤は、高めの洗浄力を持ちながらも低刺激で洗浄できる界面活性剤です。また洗い上がりのさっぱり感や、クリーミーな泡立ちも特徴です。
ただし使用後のしっとり感が感じにくいため、乾燥肌の方には不向きとされています。髪がきしむ場合は、アウトバストリートメントなどを利用したケアが必要です。
種類4|アミノ酸系
アミノ酸系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・ココイルグルタミン酸Na
・ラウロイルメチルアラニンNa など
アミノ酸系界面活性剤は、皮膚や髪にやさしく、高級アルコール系界面活性剤と比べるとヘアカラーの色持ちが比較的良いのが特徴です。
穏やかな洗浄力と控えめな泡立ちで、しっとりとした洗い上がりが叶います。ほどよく肌のうるおいを残せるため、乾燥肌や敏感肌におすすめです。
種類5|タウリン系
タウリン系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・ココイルメチルタウリンNa
タウリン系界面活性剤は、洗浄力があまり強くなく、頭皮への刺激が少ないとされています。
タウリン系のシャンプーは、ほどよい泡立ちと、ベタつきの少ないふんわりとした洗い上がりが特徴です。
高級シャンプーなどに用いられることが多く、皮脂が気になる方にも向いています。
種類6|ベタイン系
ベタイン系界面活性剤の表示名称の例は、下記の通りです。
・ラウラミドプロピルベタイン
・コカミドプロピルベタイン など
ベタイン系界面活性剤は、洗浄力が穏やかで、頭皮への刺激が少ないのが特徴です。敏感肌にも使いやすいとされており、ベビーシャンプーなどに配合されています。こちらもヘアカラーの色持ちが良いとされているため、カラーの褪色が気になる方にはおすすめです。
シャンプーを成分で選ぶ際のポイント
ここからは、シャンプーを成分で選ぶ際のポイントを紹介します。
ポイント1|成分の表示順に注目
シャンプーの成分表は、容器やパッケージの裏などに表記されています。薬機法によって全成分表示が義務付けられており、配合されている分量が多い順に成分名が記載されています。
シャンプーには界面活性剤が複数配合されており、この順番を見ることでメイン成分と補助的な成分がわかります。
また、成分表の最初に洗浄力の強い成分が記載されている場合は注意が必要です。
例えば、ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naなどが最初に記載されている場合は洗浄力が強く、頭皮に刺激を与えるおそれがあります。
ポイント2|敏感肌の方は保湿成分も確認
敏感肌の方は、保湿成分が含まれているかどうかも確認しましょう。シャンプーに含まれる代表的な保湿成分として、ヒアルロン酸やグリセリン、セラミド、スクラワンなどがあげられます。
また、乾燥肌の方は皮脂を落とし過ぎないマイルドな成分が含まれたシャンプーを選ぶことも大切です。
例えば、ココイルグリシンKやココイルグルタミン酸Naなどは、しっかり洗浄しつつも皮脂を落とし過ぎない成分としておすすめです。
ポイント3|ほかの添加物もあわせてチェック
市販のシャンプーには、品質維持や使い心地の良さを実現するために、防腐剤や着色料、香料、シリコーンなどさまざまな添加物が使用されています。
シャンプーに含まれる添加物 | 成分名 |
---|---|
防腐剤 | フェノキシエタノール、メチルパラベン など |
着色料 | 青色〇号、赤色〇号 など |
香料 | 香料 |
シリコーン | ジメチコノール、ジメチコン など |
肌にトラブルを抱えている方の場合、注意が必要なのは乾燥やかゆみが生じる添加物が入っている可能性があることです。
アレルギー反応がどの成分で起こっているか不明な場合は、医師に相談の上パッチテストなどを実施して適切な製品を選択する必要があります。
アレルギー反応が特定の成分で起こる場合は、該当のものが入っていないことを成分表でしっかり確認する必要があります。
まとめ
シャンプーの成分には大きく分けて、水、界面活性剤、その他(防腐剤や香料など)が含まれています。洗浄成分である界面活性剤にはさまざまな種類があるため、最適な成分を見つけることが大切です。
敏感肌やアレルギー体質の方は、洗浄力の高い成分が含まれたシャンプーを使用すると、頭皮の刺激となるおそれがあります。購入前に、パッケージの裏に表記された成分表をしっかり確認しましょう。
自分に合ったシャンプーがわからない場合は、美容室でアドバイスをもらうのもおすすめです。