秋は抜け毛が多いってホント？その理由や予防法を紹介

シャンプーやヘアセットをした後、よく髪の毛が抜けると感じている方もいるのではないでしょうか。「抜け毛は秋に増えやすい」という情報もあり、より気になっている方もいるかもしれません。
今回は、抜け毛が秋に増える理由や、抜け毛を予防するためのポイントについて解説します。

秋は抜け毛が多い！その理由とは

ここでは、秋に抜け毛が多いといわれている理由について解説します。

理由1｜夏場に受けた日光や紫外線のダメージ

夏場は、日差しや紫外線が強く降り注ぐ時期です。こうした夏の期間中に受けたダメージが影響し、秋に髪の毛が抜けやすくなります。

紫外線は髪の表面にあるタンパク質の層「キューティクル」を傷つけるだけでなく、髪の内部構造にまで影響を及ぼすことがわかっています。ダメージが髪の奥まで届くことが、髪のパサつきや枝毛が増える原因のひとつです。

夏の紫外線は頭皮にもダメージを与えています。紫外線でダメージを受けた頭皮が乾燥して炎症を起こすと、髪の毛の成長が阻害されて抜け毛が増加することも考えられます。

理由2｜気温と湿度の変化

日本のほとんどの地域では、夏から秋にかけて徐々に気温が下がり、湿度が減少していく傾向があります。秋は空気が乾燥し始める時期で、髪と頭皮のどちらにとっても悪影響が起きやすい季節といえます。

空気が乾燥すると髪の毛の水分保持力が低下し、柔軟性がなくなり、ひっかかりやすくなることで切れやすくなります。加えて、頭皮が乾燥して、健康な髪が育たない環境に変わってしまうのです。

また、夏から秋にかけての外気温が下がることで頭皮の血管が収縮し、髪に十分な栄養が届きにくくなります。急激な気温の変化は、髪の毛の成長サイクルに悪影響を与えることもあるので注意が必要です。

理由3｜ストレスの影響

日々の生活のなかで溜まるストレスも、抜け毛の原因になると考えられています。過剰なストレスを受けることで、自律神経やホルモンバランスが崩れてしまうためです。

夏の時期に経験したストレスが、秋になってから時間差で抜け毛として現れるケースもあります。

理由4｜栄養不足

夏は暑さの影響で食欲が減退しやすく、十分な栄養が摂れていないことも考えられます。猛烈な暑さで夏バテしたと感じている方は注意が必要です。

栄養不足が続くと髪の成長が通常よりも遅れ、髪が薄くなったり抜けやすくなったりしやすいとされています。ストレスと同じく、夏バテの影響が秋になってから抜け毛となって現れるケースです。

髪の毛は「ケラチン」というタンパク質の一種からできています。髪を健康に保つには、タンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルなどの栄養素も摂るようにしましょう。

正常な抜け毛の量

人間の体は新陳代謝を繰り返しているため、髪の毛が抜けること自体は悪いことではありません。

通常、日本人の平均的な毛髪総数は10万本とされています。そのうち、全体の0.1％程度が毎日抜けており、本数としては50～100本程度です。抜けやすいとされる秋には200本程度抜けることもあるため、その程度であれば正常と考えても良いでしょう。

1日に抜ける髪の毛の50～70％は、シャンプーをしたときに抜けるとされています。抜け毛の量が気になる方は、洗髪時の様子をみることで抜け毛の本数をおおよそ把握できるので見てみてください。

抜け毛が正常な状態なのかを判断するためには、抜けた本数だけでなく、抜け毛の毛根の形や髪の毛の太さ、長さなども確認する必要があります。

抜け毛の異常を見抜く方法について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。

髪の毛は1日に何本抜ける？異常な抜け毛の特徴や改善策も紹介

秋の抜け毛はいつ回復する？

秋の抜け毛は髪のダメージやストレスを原因とした一時的な現象なので、通常は1〜2か月程度で回復します。

ただし、抜け毛は栄養不足のほか、自己免疫疾患や貧血といった特定の病気が原因で起こることもあります。抜け毛が長期間続いて治まらない場合や、抜け毛以外の症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。

秋の抜け毛をできるだけ抑えるポイント

一時的なものとはいえ、髪の毛が抜けていくのはできる限り食い止めたいところですよね。

ここでは、秋の抜け毛を抑えるポイントを解説します。

ポイント1｜日常のヘアケアを適切に行う

秋の抜け毛を予防するためには、まずは正しくスカルプケアすることで頭皮環境を整えることが大切です。

特に、毎日のシャンプーを適切に続けてみましょう。

1. 38℃前後のお湯で頭皮と髪を丁寧に流し、ほこりや汚れを落とす
2. シャンプーを適量手に取り、しっかり泡立ててから髪に乗せる
3. 指の腹を使い、頭皮をマッサージしながらやさしく洗う
4. すすぎ残しがないように、シャンプーを入念に洗い流す
5. お風呂から上がったらすぐに乾かし、濡らしたまま放置しない

正しいシャンプーのやり方をより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

「スカルプケアの基本！健やかな髪と頭皮へ導く正しいシャンプーのやり方」

ポイント2｜空気の乾燥を防ぐ

部屋でエアコンを使うときは、加湿器もセットで使って適度な湿度をキープすることが大切です。

エアコンは室内の温度を手軽に調節できますが、風を送り込むため空気を乾燥させるデメリットがあります。加湿器を併用して湿度を維持することで、頭皮と髪の水分が失われず、乾燥による抜け毛リスクを軽減できます。

さらに保湿を強化したい場合は、頭皮用化粧水や育毛製品を使います。頭皮用化粧水や育毛製品には保湿成分も配合されており、頭皮環境を整える効果も期待できるからです。

頭皮用化粧水や育毛製品は、製品によって含まれる成分やつけ心地が異なります。髪の悩みや好みに合ったものを選んで、毎日のルーティーンに取り入れてみてください。

ポイント3｜ストレスを発散する

ストレスも抜け毛の原因となるので、髪の健康を保つためにはストレスを溜めずに発散することも大切です。

・睡眠時間を十分に確保する
・運動する習慣を取り入れる
・趣味を見つけて没頭できる時間を作る
・瞑想やヨガなど、リラックスできるエクササイズを始める

特に、運動と睡眠は髪の毛の健康的な成長にとって非常に重要なポイントです。

運動することで血行が良くなり、頭皮に栄養が届きやすくなります。一方の睡眠では、寝ている間に分泌される成長ホルモンが髪の毛を修復・成長させる効果があります。

髪の毛だけでなく、身体全体の健康にもつながるので、ぜひ取り入れてみてください。

ポイント4｜バランスの取れた食生活を送る

栄養不足が続くと、髪は弱くてもろい状態に変わっていきます。髪が弱ると抜け毛のリスクが高まるため、毎日栄養バランスが整った食事を心がけることが大切です。

特に、髪の主成分であるケラチンはタンパク質で構成されているため、毎日タンパク質を欠かさず摂るようにしましょう。

一日に必要とされるタンパク質の摂取量は、成人男性なら体重1kgあたり約0.8～1.2g、成人女性なら体重1kgあたり約0.8～1.0gが目安です。

タンパク質は肉類、卵、乳製品など、主菜（メインのおかず）として食べるものに多く含まれています。食事で必要な栄養素を補うのがどうしても難しい場合は、プロテインやサプリメントを活用するのもひとつの方法です。