髪の毛に重要な「ケラチン」とは?不足するリスクや補う方法を解説

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ヘアケアに関する情報で、「ケラチン」という言葉をよく目にしますよね。ケラチンは髪の質に大きな影響を及ぼす要素なので、正しく知って日々のケアに取り入れ、健康的な髪をキープしたいものです。

今回は、ケラチンの基本や不足したときのリスク、適切に補うコツを解説します。

髪の主成分である「ケラチン」とは

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ケラチンはタンパク質の一種です。髪の毛は約80~90%がタンパク質からできており、そのうちの90%はケラチンが占めているといわれています。ケラチンは、髪の主成分ともいえるタンパク質です。

また、ケラチンは、爪や皮膚の角質層にも分布しています。繊維状の構造で、硫黄の成分を含んでいるのも特徴です。

ケラチンには、髪に弾力性や柔軟性をもたらす「シスチン」というアミノ酸を豊富に含んでいます。ハリやコシがあって健康的な髪を目指すなら、ケラチンを適切に補う必要があります。

ケラチン不足が髪に与える影響

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ケラチンは髪の約90%を占める主成分ですが、ケラチンそのものを直接摂取することはできません。なぜなら、ケラチンは体内でアミノ酸から合成されるため、食事からそのまま摂取することできないからです。

また、ケラチンは偏った食事によって合成されにくくなったり、熱や摩擦などの外的刺激によって毛髪から失われることがあります。このようにケラチンが不足すると髪に影響を及ぼすため、注意が必要です。

ここでは、ケラチン不足が髪に与える影響について解説します。

髪質が衰える

ケラチンが不足すると、髪質そのものが悪化する可能性があります。

ケラチンには、髪にハリやコシを与えるシスチンが豊富に含まれています。ケラチンを構成するシスチンが不足するとケラチンの合成がうまく行われず、髪の毛が細くなってしまったり、ハリやコシが失われて弱い髪の毛になったりする可能性があるのです。

さらに髪質が悪化すると、乾燥によるパサつきや切れ毛、枝毛などが発生することもあります。髪の状態が悪いと、表面のキューティクルも剥がれやすくなってしまい、髪がうねってスタイリングがしにくくなるので注意が必要です。

薄毛につながる可能性がある

栄養不足によりケラチンが合成されにくくなると、ケラチンが不足して髪が細くなってしまうおそれもあります。

毛包が栄養不足に陥ると、ケラチンの合成が不十分になります。毛包は髪の毛を産生するはたらきがあり、髪の健康に欠かせない組織です。

毛包が栄養不足になって正常に機能しないと、髪がつくられるスピードが低下します。結果として、髪が細くなったり薄くなったり、最悪の場合新しい髪が生えなくなることも否定できません。

ケラチン不足によってもともと生えている髪の質が落ち、健康な新しい髪が生えにくくなることで、薄毛が進行しやすくなることもあるので注意しましょう。

適切にケラチンを補う方法

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髪の健康を維持するためには、ケラチンの合成に必要な栄養素を補う、もしくはケラチンを補えるヘアケア製品を使用することが重要です。

ここでは、適切にケラチンを補う方法を解説します。

食事で補う

食事からケラチンが十分に合成されるように必要な栄養素を補うには、タンパク質やアミノ酸が多く含まれる食品を積極的に摂るのが効果的です。

ケラチンはさまざまなアミノ酸からつくられるタンパク質なので、食事でも複数種類のタンパク質をまんべんなく摂るようにします。食事で補う場合は、ケラチンそのものを選んで摂取する必要はないので覚えておきましょう。

タンパク質が多く含まれる食品の代表例は、動物性食品では鶏肉、卵、牛肉、豚肉、魚などです。植物性食品なら、大豆やブロッコリーなどがあります。飽きないようにさまざまな食品を取り入れ、1つの種類に偏らないようにすると良いでしょう。

タンパク質を摂ると同時に、亜鉛などのミネラル、ビオチンなどの栄養素も一緒に摂取します。亜鉛やビオチンは、タンパク質に含まれているアミノ酸から髪の毛がつくられる工程のサポートができる栄養素です。髪の健康維持に必要なので、野菜やフルーツなども献立に取り入れてみてください。

亜鉛は卵やカシューナッツ、牛の赤身肉など、ビオチンは鶏や豚のレバーや卵黄、大豆、牛乳などに多く含まれています。亜鉛は単独だと吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンと一緒に摂ると吸収率が上がるのが特徴です。

髪と亜鉛の関係性については、こちらで詳しく解説しています。
髪と亜鉛の関係性は?亜鉛を含む食品例や摂取時の注意点も紹介

サプリメントで補う

毎日の食事と並行して、サプリメントを活用するのもおすすめです。

ケラチンが十分に合成されるように必要な栄養素を補うためには、さまざまな栄養素を摂取することが重要ですが、毎日バランス良く栄養を摂り続けるのは難しいと感じる方もいるでしょう。

より効率的に、無理なく必要な栄養素を補いたいなら、食事でタンパク質を積極的に摂りつつ、亜鉛やビオチンを配合したサプリメントを使うのが効果的です。

特に育毛系のサプリメントには、ケラチン以外に亜鉛やビタミンを含むものも多く販売されています。さらに、ケラチンを構成するシスチンやロイシンなどのアミノ酸が一緒に含まれている製品もあるため、よりピンポイントで栄養摂取ができるのがメリットです。

忙しくて栄養バランスの取れた食事が毎回摂れない方などは、サプリメントの併用も視野に入れてみてください。

ただし、サプリメントはあくまで食事のサポート程度の位置づけで使うようにしましょう。食事を基本として栄養を摂ることは、髪の健康だけでなく、身体全体の健康や機能の維持に必要不可欠です。

さまざまな栄養素をバランス良く含むサプリメントだけでは、生きるために必要な栄養素を網羅しきれません。より効率的に栄養を摂取するための手段として検討するのが適しています。

ヘアケア製品で補う

ケラチンが含まれているシャンプーやトリートメントを使うのも良い方法です。ちなみに、ヘアケア製品に含まれるケラチンは、髪の主成分であるケラチンとは異なり、毛髪補修を目的に使用されるケラチンのことを指します。

ケラチン配合のヘアケア製品を使えば、ケラチンが不足することで起きる髪のパサつきや枝毛、ダメージなどに効果的にアプローチできます。毎日のバスタイムでケラチンを補うことで、髪のハリやコシ、ツヤのアップが期待できるのでおすすめです。

ケラチンには弾力性の維持のほかにも、髪の水分をキープしやすくするはたらきも期待できます。髪の乾燥が気になる冬場などは、特にシャンプーの質に注目してみてください。

ヘアケア製品でケラチンを補う方法は、食事やサプリメントのように新たなものを取り入れるより、普段使っている製品をケラチン配合のものに切り替えるだけで済みます。より手軽にケラチン補給を始めたい方は、まずはシャンプーやトリートメントを見直してみましょう。

まとめ

ケラチンは髪の主成分ともいえるタンパク質で、髪に弾力性や柔軟性を与える重要な成分です。ケラチンが不足すると、髪質が低下したり、薄毛のリスクが高まったりと、髪の健康が損なわれかねません。

ケラチンは食事やサプリメント、ヘアケア製品などから補えます。自分に合った方法で、適切にケラチンを補給しましょう。

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