「頭皮を触ると臭い…」ニオイの原因と対策、ケア方法を解説
普段から頭皮の嫌なニオイが気になっている方もいれば、ふとした瞬間に不快に感じた経験をお持ちの方もいるかもしれません。
頭皮から漂うニオイの原因はさまざまですが、自分の頭皮の状態を知ることは、適切なケアをするための第一歩となります。今回は、頭皮のニオイの原因や、ニオイを防ぐための対策・ケア方法について詳しく解説します。
目次
頭皮を触ると臭い原因
「頭皮を触ると臭い……」と感じたなら、頭皮にさまざまな問題が発生している可能性があります。ここでは、頭皮が臭う主な原因について詳しく解説していきます。
過剰な皮脂の分泌量の増加
頭皮は身体のなかで皮脂腺が多い部位です。特に男性は女性よりも皮脂量が多いため、「皮脂臭」と呼ばれる脂っぽいニオイが生じやすい傾向にあります。
過剰な皮脂が頭皮の常在菌のエサとなり、細菌が増殖することで臭いニオイが発生するのです。
汗の酸化
頭皮は全身のなかで手のひらや足の裏に次いで3番目に汗腺が多いといわれている部位です。汗自体は無臭ですが、汗と皮脂が混ざり合ったものを頭皮に常在する細菌が分解することで酸化し、酸っぱいニオイが生じてしまうのです。
汗腺のろ過機能が十分に働いていない場合には、汗そのものがニオイを帯びることもあります。
雑菌の繁殖
頭皮は髪の毛に覆われているため高温多湿な環境になりやすく、雑菌が繁殖しやすい条件が揃っています。さらに汗や皮脂、フケなどの分泌物が雑菌のエサとなり、繁殖を助長してしまうのです。
シャンプーのときのすすぎが不十分だと、残留したシャンプーの成分が頭皮トラブルを引き起こしたり、雑菌の繁殖を促進したりすることもあります。
加齢
加齢にともない、頭皮のニオイの原因も変化していきます。
10代から20代にかけては、ホルモンバランスの不安定さから皮脂の過剰分泌が起こりやすい傾向にあります。30代以降は汗に含まれる乳酸を皮膚の常在菌が分解することで、不快なニオイの原因「ジアセチル」という物質が発生しやすくなるのです。
40代以降になると皮脂に含まれるパルミトレイン酸という脂肪酸が増加し、その酸化により生成される「ノネナール」が加齢臭の原因となります。
脂漏性皮膚炎
頭皮に起こりやすい肌トラブルのひとつである脂漏性皮膚炎が生じると、頭皮や髪の生え際に赤みやかゆみなどの炎症が起こります。
皮脂が多い場所を中心に起こる症状のため、過剰な皮脂が頭皮の常在菌のエサとなり、細菌が増殖することでニオイが発生することがあります。
脂漏性皮膚炎の根本的な原因が真菌(カビ)の増加で自然治癒が難しい場合は、外用剤での治療が選択されるでしょう。
AGA
頭皮のニオイは、AGA(男性型脱毛)の前兆という可能性もあります。AGAは男性ホルモンが頭皮の5αリダクターゼと結合して作られるジヒドロテストステロンが関与しており、頭皮環境の乱れや加齢、偏食などの要因が重なることで症状が現れます。
AGAの特徴は、前髪の生え際の後退や頭頂部の髪の毛が薄くなることです。放置すると薄毛が進行していきます。
頭皮を触ると臭い……気を付けたいNG習慣は?
頭皮の嫌なニオイは、生活の乱れや誤ったヘアケア方法によって引き起こされたり、悪化したりすることがあります。
ここでは、頭皮のニオイを悪化させてしまうNG習慣を具体的に紹介していきます。自分の生活を振り返りながら、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
NG習慣1|毎日朝シャンで済ませる
朝シャンが毎日の習慣の場合、夜は毛穴が詰まった状態で寝ることになり、頭皮の新陳代謝を妨げる原因となります。毛穴に汗や皮脂、古い角質などが詰まったまま放置されると、菌が繁殖しやすい環境が作られてしまうのです。
NG習慣2|丁寧なすすぎを行っていない
シャンプー後のすすぎが不十分だと、毛穴の詰まりの原因となります。詰まった毛穴はニオイやフケを引き起こす可能性があるのです。
香りの強いシャンプーを使っているにもかかわらず、頭皮のニオイやフケが気になるという方は、すすぎが足りていないかもしれません。
NG習慣3|髪を自然乾燥させる
シャンプー後に髪を自然乾燥させたり、生乾きの状態で放置したりすると、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。特に髪が長い方や毛量の多い方は髪の内部が蒸れやすく、菌の増殖を招きやすいので注意が必要です。
NG習慣4|1日に何度もシャンプーする
頭皮のニオイが気になるからといって、1日に何度もシャンプーを繰り返すのは逆効果です。頭皮に必要な油分まで落としてしまい、皮脂の過剰分泌を促したり、頭皮の常在菌を減らしたりしている可能性があります。
NG習慣5|睡眠不足、ストレスを発散できていない
睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスの乱れや活性酸素の発生を引き起こし、皮脂分泌の増加や加齢臭の原因物質の増加につながります。
また、ストレスによって悪臭の原因となるノネナールや脂肪酸が汗に多く含まれるようになると、頭皮のニオイが悪化しやすくなるのです。
NG習慣6|肉や脂っぽい食事をよく食べる
肉や脂っこい食べ物を中心とした食事は、ニオイの原因となる過酸化脂質の生成を増加させる可能性があります。ニオイの原因になりやすい食べ物としては、糖質やカフェインもあげられます。
適量を摂取する分には問題ありませんが、過剰摂取は頭皮のニオイに影響を与えることがあるので注意が必要です。
頭皮のニオイの対策・ケア方法
頭皮のニオイは、皮脂量が多すぎても少なすぎても問題になります。適切な皮脂量を保つことが、頭皮の健康維持に重要なのです。
そのためには、日常の生活習慣とヘアケア方法を見直す必要があります。ここでは、頭皮のニオイ対策とケア方法を解説していきます。
頭皮ケアに適したシャンプーを選ぶ
頭皮のニオイ対策には、適切なシャンプー選びが重要です。
シャンプーを選ぶ際は、低刺激でマイルドな洗浄力、保湿成分入り、防臭効果が期待できる成分の有無などをチェックしましょう。殺菌・消炎などの効果がある医薬部外品の薬用シャンプーも、頭皮ケアに適しています。
頭皮ケアに注力したシャンプーは市販されているため、自分の頭皮の状態に合ったものを探してみてください。
適切なヘアケア方法を続ける
適切なヘアケア方法を続けることで頭皮環境を整え、ニオイ対策につなげられます。
特に、シャンプー前の予洗いは重要です。ぬるま湯で頭皮と髪をしっかり濡らす予洗いをすることで、シャンプーの泡立ちを良くし、洗浄力を上げます。
シャンプーのときは、洗い残しが生じやすい部位から丁寧に洗い、すすぎはぬるつきがなくなるまで行いましょう。洗髪後はタオルでしっかり水気を取り、ドライヤーで根元から早めに乾かすことが頭皮のニオイ対策に効果的です。
ヘアケアの具体的な方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
生活習慣を見直す
頭皮のニオイ対策には、生活習慣の見直しも欠かせません。
まず、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。ビタミンやポリフェノールが含まれる緑黄色野菜は、タンパク質や脂質の酸化を抑えるためニオイ対策になります。
十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとることも重要です。ホルモンバランスを整えることで頭皮環境が改善されるため、皮脂分泌を抑えることにつながるでしょう。
ストレスを適切に発散する方法を見つけることも大切です。ストレスによる活性酸素の発生を防ぐことで、頭皮のニオイを緩和させることができます。
まとめ
頭皮のニオイは、皮脂の過剰分泌や汗の酸化などのさまざまな内的要因が絡み合って発生します。また、生活習慣の乱れやヘアケア方法の誤りが、頭皮のニオイを悪化させる原因となることもあります。
頭皮のニオイを防ぐためには、適切なシャンプー選びや洗髪方法の改善をはじめ、栄養バランスのとれた食事や質の高い睡眠などの生活習慣の見直しを積極的に行いましょう。自分で対策をしてもニオイの改善が見られない場合は、医療機関の受診をおすすめします。