白髪の原因は何か。白髪のメカニズムとあわせて解説

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ふとしたときに白髪を見つけると、なんだかショックな気持ちになりますよね。「老けて見えるので何とかしたい」と考える方が多い白髪ですが、そもそもなぜ白髪が生えるのでしょうか。今回は白髪が生えるメカニズムや、白髪が生える原因について解説します。

そもそも白髪とは

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白髪は黒や茶色などの色がついていた髪が白くなってしまったものですが、なぜ髪の色が変わってしまうのでしょうか。まずは、白髪になるメカニズムや白髪が生えだす年齢などについて解説します。

白髪になるメカニズムとは?

髪に色がついているのは、メラニンによるものです。実は毛根で作られたばかりの髪には色がついていません。

髪は成長していく過程で、メラノサイトからメラニンを与えられて色がつきます。

つまりメラノサイトが正常にはたらかないと、髪に色がつかず白髪になるということです。なお、白髪には「休止型」と「欠失型」の2タイプがあります。

  • 休止型:メラノサイトはあるものの、メラニンが作られず白髪になるタイプ
  • 欠失型:メラノサイトが大幅に減少あるいは失われて白髪になるタイプ

上記2タイプのうち、欠失型の白髪のほうが多い傾向にあります。

何歳くらいから白髪になる?

白髪が生えだすのは35歳過ぎくらいからといわれています。しかし、白髪が生える年齢は個人差が大きく、10代で生えている方もいれば40代、50代と歳を重ねてもあまり生えない方もいます。

また、白髪が生える部位や広がり方も人それぞれです。髪の一部が白髪になり、そこから少しずつ白髪が生える部位が広がっていくパターンが多いといわれています。しかし、どこから白髪が生えて、どのように増えていくのかははっきりしていません。

抜いても良い?

白髪が気になるので抜いてしまおうと考える方もいるかもしれませんが、白髪を抜くのは止めておきましょう。

白髪は色がついていないだけで、成長しなくなった髪ではありません。無理に引き抜くと毛根や頭皮にダメージを与えてしまい、次に生える髪に悪影響を及ぼす可能性があります。

どうしても気になる場合は抜くのではなく、根元からカットするか白髪染めを使用しましょう。

なお、「白髪を抜くと増える」という噂がありますが、抜いても増えることはありません。白髪が生えていることに気づくタイミングと、白髪が増える時期が重なった結果、「抜いたら増えた」と思った方がいたのだと考えられます。

白髪の主な原因をチェックしてみよう

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白髪が生える大きな要因は加齢や遺伝ですが、生活習慣によるものもあるなど原因はさまざまです。

ここでは白髪が生える主な原因を紹介します。適切に対応するためにも自分にはどれが当てはまるかを考えてみましょう。

加齢

白髪の原因の多くは加齢による老化現象です。身体のほかの器官と同じく、歳を重ねるとメラノサイトがメラニンを生成するはたらきが落ち、髪に色がつかなくなります。

加齢による白髪は個人差が大きく、若い人で白髪が生えている方もいれば、それなりの年齢になってもあまり生えていない方もいます。

遺伝

白髪が生えるかどうかは、遺伝的な要因もあると考えられています。親が白髪の多い体質である場合、子どもも白髪が増えやすい体質になることが多いです。

特に10代など若いうちから白髪が生え始めた場合は、遺伝の可能性が高いと考えられます。まれに遺伝によってメラニンが生成されない、もしくは髪にメラニンが取り込まれにくい体質になる方もいるようです。

ストレス

強いストレスを感じた結果、白髪が増えることもあります。ストレスが白髪を発現させるメカニズムは、はっきりとは解明されていません。

しかし、ストレスを感じて交感神経が優位になると分泌される「ノルアドレナリン」が色素幹細胞を過剰に活性化させメラノサイトへと急速に変化することで色素幹細胞が枯渇し、必要なときにメラノサイトを供給できなくなり、白髪になるとの研究結果があります。

また、交感神経が優位になると血管が収縮し、一時的に血行が悪くなります。その後血流が戻る際に活性酸素が生成されるのですが、活性酸素にはメラニンの生成に必要なチロシナーゼという酵素の生成を邪魔する作用があるのです。

チロシナーゼの生成が邪魔された結果、メラニンの生成量が減ってしまい、白髪が生えると考えられています。

栄養不足

髪が黒く健康的に育つには、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養が欠かせません。

栄養が偏った食事や無理なダイエットなどによってこれらの栄養が不足すると、メラニンを作るための栄養も足りなくなるため白髪が増える可能性があります。

頭皮の血流不足

頭皮の血流不足も白髪が生える原因になります。頭皮の血行が悪くなると、メラニンを生成するための栄養が毛根まで届きにくくなるためです。

頭皮が血行不良に陥る原因は、運動不足やストレスなどさまざまです。また、加齢によって毛細血管が狭くなったり減少したりして、血行が悪くなることもあります。

睡眠不足

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髪が育つのに必要な成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。睡眠不足に陥ると成長ホルモンの分泌量が減り、メラノサイトのはたらきが悪くなるため白髪が生える場合があります。

紫外線

紫外線が肌にダメージを与えることを知っている方は多いと思いますが、白髪の原因になるケースもあります。紫外線が毛根やメラノサイトのもととなる色素幹細胞を壊してしまうためです。

頭皮全体がダメージを受けて、白髪だけでなく髪の傷みや薄毛などのトラブルが発生する可能性もあります。

喫煙

タバコには多くの有害物質が含まれており、それらの物質がメラノサイトにダメージを与えます。また、タバコを吸うと血管が収縮するため、頭皮の血行が悪くなってメラニンの生成に必要な栄養が届きにくくなるのです。

さらに、チロシナーゼの生成を邪魔する活性酸素が生成されるため、喫煙の習慣があると白髪が増える場合があります。

スマートフォンやPCの使用過多

スマートフォンやPCを使い過ぎると、頭皮や肩・首の筋肉がこり固まって血行不良に陥ります。するとメラノサイトに必要な栄養が届きづらくなり、白髪が生えることがあります。

病気

円形脱毛症や尋常性白斑、甲状腺機能低下症、フォークト・小柳・原田病など、何らかの病気が原因で白髪が増えている可能性もあります。

脱毛している、頭皮の色が抜けているところがあるなど、白髪以外の症状も併発している場合は医師に相談してみましょう。

まとめ

白髪はメラニンが作られなくなることで発生します。その原因はさまざまなので、今回紹介した内容を参考に、自分がどれに当てはまるのかを考えてみましょう。

白髪の対策については下記の記事にて詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【白髪対策】見つけたときにできる応急処置と白髪を少なくする対策

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