髪の毛からフケが出る……! 原因やフケから考えられる病気、対処方法を紹介
「髪は毎日洗っているのに、なぜかフケが出る……」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。フケは不潔な印象があるため、心配に思う人もいるかと思われますが、どんな人でもフケは発生します。では、大量にフケが出てしまう原因は何でしょうか。
今回はフケの原因やフケから考えられる病気、対処方法について解説します。
目次
そもそもフケとは
フケとは、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)によって剥がれ落ちた古い頭皮の角質のことです。フケは良くないイメージがありますが、いわゆる身体の垢と同じで誰にでも発生します。
人間の皮膚は約6週間ごとにターンオーバーによって生まれ変わっています。同様に、頭皮もターンオーバーによって、一番外側を覆っている角質が定期的に新しくなります。新しい皮膚に入れ替わるために皮膚から古い角質が押し出されて、フケとして剥がれ落ちるのです。
ターンオーバーで剥がれ落ちるフケは小さいため、髪を洗う際に取り除かれます。頭皮が健康な状態であれば、フケが目立つことはありません。
フケが増えたり目立ったりしている状態を「フケ症」と呼びます。なんらかの原因で頭皮のトラブルが発生し、ターンオーバーが崩れてしまっている状態です。
フケ症の種類2つ
フケは頭皮のタイプによって2種類に分けられます。脂性フケのベトベトタイプと、乾性フケのカサカサタイプです。
ベトベトタイプのフケは黄色がかっており、しっとりと湿っています。髪の根元や頭皮にべったりとくっついていることが多く、パラパラと落ちることはありません。主に男性に多く見られます。
カサカサタイプのフケは白く、乾燥しているため粉っぽくサラサラとした状態です。乾燥している冬によく見られます。
フケ症の主な原因
フケ症は、頭皮のターンオーバーの乱れが原因です。
ターンオーバーが乱れる具体的な原因は、不規則な生活や偏った食生活、睡眠不足、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れが考えられます。
フケのタイプによっても原因は異なります。ではどのような原因があるのでしょうか。詳しく解説します。
ベトベトタイプ(脂性フケ)の場合
頭皮には、汗や皮膚をエサとするマラセチア菌と呼ばれる皮膚常在菌が存在します。マラセチア菌は細菌や雑菌から肌を守る役割を担っており、本来は頭皮の健康を維持してくれています。
しかし、マラセチア菌が増え過ぎると頭皮に悪影響を与えるので要注意です。特に洗髪不足で頭皮に余分な皮脂が残っていたり、ホルモンバランスの乱れなどで皮脂が過剰に分泌したりすると、マラセチア菌や細菌が増えます。
過剰に繁殖したマラセチア菌や細菌は頭皮を刺激するため、ターンオーバーが乱れる原因となるのです。
ターンオーバーの乱れから剥がれきれなかった皮脂は酸化し、汚れやほこり、古い角質とまざることでベトベトタイプのフケが発生します。
カサカサタイプ(乾性フケ)の場合
頭皮の乾燥は、免疫力を低下させてターンオーバーのリズムを早める要因です。乾燥によってターンオーバーが早まると、未熟な角質も一緒に剥がれ落ちてしまいます。これがフケとなって発生するのです。
頭皮の乾燥の原因はさまざまです。特に乾燥肌の方は頭皮も乾燥しやすい傾向にあります。空気の乾燥や紫外線によるダメージも頭皮の乾燥に繋がるほか、刺激の強いシャンプーや髪の洗い過ぎも頭皮の乾燥を引き起こします。
フケが発生する病気もある!
生活習慣や洗髪に気を付けているのになかなかフケが改善しない場合は、単なるフケではなく病気の可能性が考えられます。
ここからは、フケが発生する4つの病気について解説します。フケがなかなか治まらない場合や、フケ以外の症状がみられる場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が多い頭皮や顔、わきなどの場所に発生する皮膚炎です。皮膚に赤みのある発疹が発生し、皮が剥けたりかゆみを伴ったりします。頭皮に発生した場合は赤くなり、フケが多く発生するのが特徴です。
明確な原因は定かではありませんが、マラセチア菌の増殖やホルモンバランスの乱れなどが考えられています。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
紅斑や発疹によって赤くなった皮膚が銀白色の角質のかさぶたで覆われ、やがてフケのようにポロポロと剥がれ落ちる病気です。頭皮のほかに肘や膝などの外部からの刺激を受けやすい部位に出現します。
初期症状だけでは、脂漏性皮膚炎と見分けるのは簡単ではありません。
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴う発疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚炎です。顔や手、背中などさまざまな部位で左右対称に発生することが多く、頭にも症状が現れます。
アトピー性皮膚炎の原因はまだ十分に解明されていません。しかし、もともとアレルギー体質の方や肌のバリアが弱い方が発症しやすい傾向にあります。精神的ストレスやハウスダスト、湿度などの外的要因も原因のひとつと考えられます。
頭部白癬(とうぶはくせん/しらくも)
複数の真菌によって起きる頭皮の感染症で、うろこ状の乾燥した発疹や楕円状の脱毛、かゆみなどの症状が現れます。症状に伴って、角質がポロポロと剥がれ落ちてフケが発生することもあります。
皮膚が接触することによって感染するため、最近では競技者同士が直接身体的接触を伴うコンタクトスポーツの現場での感染のケースもみられるようです。
フケを減らすための方法
病気が原因でなければ、基本的にフケは生活習慣の改善で防げます。3つのポイントについて簡単に解説します。
・洗髪方法に気を付けて、ドライヤーをする
洗髪不足も洗い過ぎも頭皮に良くありません。爪を立てずに洗うようにしましょう。リンスやトリートメントの流し残しもフケの原因です。
髪を乾かさないまま寝ると雑菌が繁殖しやすくなるため、必ずドライヤーをかけましょう。熱で頭皮にダメージを与えないようにするのも大切です。
・規則正しい生活を心がける
寝不足や偏った食生活はターンオーバーの乱れを誘発します。栄養バランスのとれた食事は、健康な頭皮を保つのに重要です。質の良い睡眠も髪や頭皮に栄養を行き渡らせるのに欠かせません。
抵抗力を落として頭皮トラブルを招かないためには、ストレスを溜め込まないことも大切です。
・頭皮に触れるものはこまめに洗濯する
タオルや枕カバーなど頭皮に頻繁に触れるものはこまめに洗濯して、キレイな状態に保ちましょう。
フケを防ぐ方法についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
フケにはベトベトタイプとカサカサタイプの2種類があり、それぞれ原因が異なります。洗髪方法や生活習慣を見直して、フケを減らしましょう。なかなかフケが改善しない場合は、病気が潜んでいる可能性があるため、皮膚科を受診してください。