髪と女性ホルモンの関係|ホルモンバランスを整え薄毛改善へ
髪の健康には女性ホルモンが大きく影響しています。女性ホルモンが減少すると、薄毛や抜け毛の原因になりかねないため、早めに対応することが重要です。女性ホルモンを整えるには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。今回は、髪と女性ホルモンの関係について解説します。
目次
髪と女性ホルモンの関係とは
女性ホルモンはヘアサイクルに関係があります。ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期と、髪が生え始めてから抜け落ちるまでのサイクルのことです。
成長期は毛乳頭が活発に発動し、髪を成長させる時期です。女性の髪は平均4~6年かけて成長します。85%~90%が成長期にある髪だといわれています。
退行期は毛乳頭の活動が弱くなり、毛球部が委縮して徐々に小さくなる時期で、2週間~3週間続きます。
休止期は毛乳頭の活動が休止する時期で、数か月続きます。
女性ホルモンは、髪の成長期から退行期や休止期に移行するのを抑制するはたらきがあり、加齢に伴い女性ホルモンの分泌量が減っていき、成長期の髪が減少してしまいます。女性の薄毛は頭頂部から徐々に薄くなることが多いですが、これは成長期の髪が減ることに原因があります。
更年期になって女性ホルモンが減り始めると、ヘアサイクルが乱れて新しい髪が生えなくなったり、産毛のような細い毛しか生えなくなったりします。
女性ホルモンは脱毛しにくい状態を維持するのに必要な要素であるため、女性ホルモンが減少すると抜け毛や薄毛に悩む方が増えるのです。
髪に悪影響!女性ホルモンが乱れる・減る原因
女性ホルモンはなぜ減るのでしょうか。ここでは、女性ホルモンの乱れや減少の原因について紹介します。
出産による乱れ
妊娠中は、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」が盛んに分泌されています。エストロゲンは子宮への血流を促進するホルモン、プロゲステロンは子宮内の状態を良好に保つためのホルモンです。女性ホルモンの働きにより、髪は抜けにくくなります。
妊娠中に盛んに分泌された女性ホルモンは、出産後に分泌が急激に減少します。成長期が続いていた髪が退行期、休止期に入り、一時的に抜け毛が多くなることがあります。もちろん、ホルモンバランスが安定するとヘアサイクルも安定してくるので問題はありません。
加齢による減少
若い頃は女性ホルモンの分泌が十分にあるものの、年齢を重ねるにつれて減少します。特に更年期の女性はエストロゲンの分泌が減少し、ホルモンバランスが乱れがちです。
加齢によって不調を感じることが増え、薄毛や抜け毛に悩む方も増えます。
生活習慣による乱れ
出産や加齢を伴わなくとも、生活習慣によってホルモンバランスが乱れることがあります。薄毛や抜け毛を防ぐには良質な睡眠やバランスの取れた食事を心がけましょう。
睡眠不足や偏った食生活を続けていると、ホルモンバランスが乱れて不調を感じやすくなります。特にストレスを溜め込むとエストロゲンの分泌量が少なくなり、身体の不調だけでなく抜け毛や薄毛になるのです。
健康的な髪のために!女性ホルモンを整える方法
健康な髪を維持するためには女性ホルモンを整えることが大切です。ここでは、女性ホルモンを整える方法を紹介します。
食生活を改善する
女性ホルモンを整えるには、まず食生活の改善が必要です。女性ホルモンのバランスを整えるために意識して摂りたいものは、下記の通りです。
・大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似たようなはたらきをする栄養素なので、積極的に摂りましょう。豆乳や納豆、豆腐などの大豆製品に多く含まれています。食べ物で摂取しづらい場合はサプリメントを使うのもおすすめです。
・食物繊維
食物繊維は腸内環境を整えるために必要な栄養素です。野菜や海藻などを食べましょう。玄米などを主食に置き換えることで食物繊維が摂りやすくなります。
・カルシウム
カルシウムは骨を作るために大切な栄養素です。小魚や乳製品を食べるとカルシウムが摂れます。
・ビタミン類
ビタミンも健康な髪をキープするのに必要な栄養素です。果物などを積極的に取り入れ、ビタミンの摂取を忘れないようにしましょう。
また、過度なダイエットはホルモンバランスの乱れを招きます。髪や身体の健康のために過度なダイエットは控えましょう。間食や飲酒にも注意が必要です。食べ過ぎ、飲み過ぎに気を付け、適量を摂るように意識する必要があります。
生活習慣を整える
生活習慣を整えることも大切です。湯船につかってリラックスし、睡眠をしっかり取りましょう。リラックスするとストレスを軽減する効果が期待できます。睡眠不足はホルモンの分泌量に影響するので、6時間以上の十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
また、血行を促進するためにも適度な運動がおすすめです。血行が良くなると毛根に効率良く栄養を届けられます。リラックス効果もあり、自律神経が整う効果も期待できます。
女性ホルモンが乱れているときの髪・頭皮のケア
女性ホルモンが乱れて、髪や頭皮にトラブルが出ているときにはどのように対応すれば良いのでしょうか。ここでは、髪や頭皮のケア方法を紹介します。
正しいヘアケアを行う
髪や頭皮にトラブルが発生している場合は、正しいヘアケアを行うことが大切です。自分が行っているヘアケアの手順が正しいのか確認しましょう。正しいシャンプーの方法は、下記の通りです。
- 洗髪前はブラッシングをし、髪の汚れを落とす。
- ブラッシング後はぬるま湯で髪をしっかりと濡らし、髪の汚れやホコリを洗い落とす。
- 手のひらでシャンプーをしっかり泡立てた上で髪を洗う。強く洗い過ぎると頭皮を傷つけるため、指の腹で優しくマッサージをするよう意識する。
- 髪を洗ったらシャンプーの洗い残しがないよう、洗う時間よりも少し長めにすすぐ。
- 髪の水分を拭き取った後はドライヤーで乾かす。乾ききったら最後に冷風を当てて髪と頭皮を冷ます。
頭皮マッサージをする
シャンプーの後やドライヤーの前などに頭皮マッサージを習慣化するのもおすすめです。マッサージをすることで血行が良くなり、髪に必要な栄養を届けることにもつながります。側頭部、頭頂部、後頭部をマッサージしてみましょう。
- 両手の指の腹を頭皮につけ、円を描くように揉みほぐす。
- 位置を変えながら何度か行う。
- 指の腹で頭皮をつかむように、頭皮をずらすイメージで押す。
上記のマッサージをする際は、強く押し過ぎないように注意してください。
まとめ
女性ホルモンは、健康的な髪を保つのに欠かせないものです。加齢や生活習慣の乱れによって女性ホルモンが減少すると、髪や頭皮にトラブルが発生するおそれがあります。
睡眠や食生活、シャンプーの方法を見直すことで女性ホルモンが整い、健やかな髪をキープしやすくなるため、ぜひ日常生活で意識して取り組んでいきましょう。